今回は、お子さんがいたらいつかは考えるであろうこと。
「大学生のお小遣い」について調べてみました。
すると下記のような結果が
- 「一人暮らし」で「私立大学」に通うのが一番費用が高い
- 実家から通学する学生には【1~2万/月】
- 一人暮らしする学生には【5~10万/月】
- 仕送り額を抑える努力も必要
- アルバイトがしにくい現状もあるので、金額は本人とよく話し合おう
我が家にも2人子どもがいます。
私自身は親が何不自由なく育ててくれたこともあって、特に何か買うのに我慢したことがありませんでしたが…。
そのおかげで、一人暮らしを始めた当初はお金の堅実な使い方が分からず、家計のやりくりに本当に苦労しました。
子どもたちには同じ思いはさせまいと、お金の使い方はきちんと教えないといけないと思っています。
とはいえ、大学生くらいの時期は人生の中で一番自由で元気で楽しいはず。
できることなら、やりたい勉強もやらせてあげたいし、楽しいこともたくさん満喫してもらいたいのが親心というもの。
そのために、限りある家計からどのくらい出してあげればいいものか・・。
今回は、イマドキの大学生の生活状況から、いくらくらいのお小遣いが妥当なのかを考えてみます!
大学生を取り巻く「お金のリアル」
まずは、イマドキの大学生がどんな生活をしているのかザックリ見ていきます。
親も学生自身も大変な状況だった
独立行政法人である日本学生支援機構は、2年ごとに大学生の生活状況を調査しています。
令和2年度版は今集計中とのことなので、「平成30年度学生生活調査」を参考にしています。
そこから要約すると、平成28年度(前回調査)→平成30年度(最新)では…
- 学生生活費は、やや増加している
- 収入額は、やや増加している
- 収入額に占める割合は、お小遣いがやや減少、アルバイトがやや増加している
親の経済的な余裕が少なくなっており、学生自身が稼ぐ必要性が増していることが考えられます。
令和元年度(平成31年度)に消費税が8%から10%に引き上げられたのも大きな要因でしょう。
さらに最近では光熱費の値上げ、輸送燃料の高騰や輸入品価格などでより家計が厳しくなっていることもあり、
子どもに割けるお金も切り詰めざるを得ない状況といえます。
学生自身も厳しい…。
最近の飲食業の苦境もあって、長期アルバイト案件も少なくなっており、自分で稼ぐにもなかなか大変。
以前は若さを武器に居酒屋などでバリバリ稼いでいた子もいましたが、今は「やればやっただけ稼げる時代」ではないようです。
やっぱり私立に行くとお金がかかる!
進学先でも、お金の状況は大きく変わります。
- 生活費は、博士課程を除いて、私立が国公立より高い
- 学費は、私立が最も高い
- 生活費は、専門職学位課程を除いて、私立が一番低い
やっぱり私立は学費が高い!
我が家もできれば国公立に行ってほしいと思っています(笑)。
学費の高さは、学生が住むところにも大きく影響しているようです。
居住形態別の学生割合(大学【昼間部】)(単位:%)
区分 | 自宅 | 学寮 | アパートなど |
国立 | 33.8 | 6.5 | 59.7 |
公立 | 43.8 | 2.9 | 53.3 |
私立 | 64.5 | 6.1 | 29.4 |
引用元:独立行政法人 日本学生支援機構 「平成30年度学生生活調査」
私立は学費が高い分、実家暮らしで通える範囲の大学を選ぶ傾向にあるようですね。
もしくは、交通費をかけてでも自宅から通った方が安く上がるという場合もあるでしょう。
アパートやマンションを借りて住むと、年間の必要経費が平均50万ほど高くなります。
その辺りを上手く天秤にかけて考える必要がありそうです。
大学生の実際のお小遣い平均はいくら?
さて、本題です。
親も子も厳しい中で、どのくらいお小遣いをあげるものなのか?
それについては、全国大学生活協同組合連合会が行っている調査「学生生活実態調査」を参考にしました。
1963年から毎年秋ごろに行われている、老舗の学生生活調査です。
今回は最新の第56回からの情報です。
実家暮らしと一人暮らしの1か月の収支を比較をしてみます。
【収入】(2020年版、単位:円)
実家暮らし | 一人暮らし | |
お小遣い(仕送り) | 10700 | 70410 |
奨学金 | 11420 | 21130 |
アルバイト | 37680 | 26360 |
引用元:全国大学生活協同組合連合会 「第56回学生生活実態調査の概要報告」
お小遣いと仕送りでは金額がかなり違いますが、支出を見比べてみるとその理由が分かります。
【支出】(同上)
実家暮らし | 一人暮らし | |
食費 | 10670 | 24570 |
住宅費 | 960 | 52910 |
交通費 | 7160 | 3370 |
教養娯楽費 | 10750 | 10990 |
電話代 | 1730 | 3370 |
貯金・繰り越し | 19610 | 12990 |
引用元:全国大学生活協同組合連合会 「第56回学生生活実態調査の概要報告」
一人暮らしの方が、生活に必要な費用がすべて倍以上かかっています(交通費を除く)。
一人暮らしの学生への仕送り額が高いのは当然の結果ですね。
余談ですが、どちらの場合でも「貯蓄・繰り越し」がちゃんとあるのが偉いですね!
イマドキの学生さんは堅実なようです。
仕送りする金額は年々減少傾向
同じ調査の中で、一人暮らしの学生への仕送り金額の推移を示したグラフがありました。
1995年から2020年の約25年で比較すると…。
1か月の仕送り金額(単位:%)
1995年 | 2008年(中間) | 2020年 | |
10万以上 | 62.4 | 39.2 | 27.9 |
5~10万 | 30.3 | 36.1 | 32.6 |
5万未満 | 5.3 | 12.4 | 15.6 |
0円 | 2.0 | 8.3 | 8.6 |
引用元:全国大学生活協同組合連合会 「第56回学生生活実態調査の概要報告」
仕送りが「5~10万」の家庭は横ばいですが、「10万以上」の家庭は激減、「5万未満」「0円」の家庭は増加しています。
大学生のお小遣いズバリ、妥当な金額は??
「お小遣い=親が大学生に渡す金額」として考えると…。
- 自宅から通学する学生:1~2万円程度
- 一人暮らしする学生:5~10万程度
この辺りが妥当といえます。
自宅から通う学生は生活費が節約できるため、金額としてはそこまで大金は必要ないでしょう。
あまり多くあげすぎると、私のように浪費癖がつく大人になります(もう直りましたよ!)。
一人暮らしをする学生への仕送り額については、長年親たちが平均してあげてきた範囲です。
実際の収支を見ても一般的といえる金額です。
実家暮らしはフレキシブルな対応でもOK
1か月の限度額を設定して、必要な時に手渡しでもいいかもしれません。
自分でやりくりすることを実践させたい場合には、月初にまとめて渡しておくのもいいでしょう。
同じ屋根の下にいるので、お子さんの性格に合わせて方法が選べるのは実家暮らしの特権ですね。
一人暮らしでは、仕送り額を抑える工夫を
一方で一人暮らしをする学生には、それ相応の援助が必要です。
何しろ、家賃が大きい!
住む地域にもよりますが、東京都内や他の都道府県の中心地などでは家賃は高くつきます。
家選びが今後の収支状況を左右するといっても過言ではありません。
- 自転車を駆使して、駅から遠めの物件にする
- 収納や間取りで妥協する
- 急行・特急が止まらない駅を選ぶ
- 繁華街が近い(遊びに行きやすい駅)を選ばない
仕送りを徹底的に抑えたいなら、こういった工夫が大事になってきます。
実はこれ、私の経験上のことです。
私が一人暮らしをしたのは・・
「山手線沿線、駅から徒歩5分、丸の内・渋谷・新宿・池袋が15~20分以内」という、妥協ゼロの物件。
妥協したのは、収納が少ないワンルームだったことくらい。
家賃そのものは相場より安かったんですが、その他の娯楽費やら食費やらがかかって大変でした。
親に頼るのが恥ずかしくて、気合と根性で仕送りなしで乗り切りましたが、今思うととても危うい生活でした。
ぜひとも、反面教師にしていただきたい。
まとめ
大学生は「子ども以上大人未満」。
干渉しすぎるのもよくないですが、ほっとくにはまだ早い。とても難しい年代だと思います。
特にお金に関しては心配がつきものですし、親自身の生活もあります。
昨今は今までのように気軽にアルバイトに行きにくい状況もあるので、お子さんとよく話し合って決めていく必要もありそうです。
妥当な金額で、お互い無理のない学生生活を送れるようにしたいものですね。
- 「一人暮らし」で「私立大学」に通うのが一番費用が高い
- 実家から通学する学生には【1~2万/月】
- 一人暮らしする学生には【5~10万/月】
- 仕送り額を抑える努力も必要
- アルバイトがしにくい現状もあるので、金額は本人とよく話し合おう
参考
独立行政法人 日本学生支援機構 「平成30年度学生生活調査」
全国大学生活協同組合連合会 「第56回学生生活実態調査の概要報告」
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