女性にとって大きなイベントである「出産・育児」。
その中で一番気になるといってもいいのが「食生活」ではないでしょうか?
私は管理栄養士という職業柄、知識もあって普段の食生活も
それなりに気を遣っていたものの、妊娠・授乳中の食生活はもうビビりまくり!
同じような人も多いんじゃないかと思います。
今回は妊婦さんの数あるお悩みの中から
「授乳中に生ハムは食べていいの?」という疑問について書いてみます。
授乳中に生ハムを食べて大丈夫なのか?
妊娠中に生ハムを食べるのはNG!
それは、ほとんどのママが「生ハムは妊娠中はダメだよ」と言われているからでは?
確かにその通り! 妊娠中に生ハムを食べるのはNGでした。
生ハムは普通のハムとは加熱方法が違います。
ハムは燻製した後に中まで加熱しますが、生ハムは低温で燻製するのみ。
「完全に生」というわけではないけど、しっかり火が通っているわけでもないんです。
余談ですが「プロシュート」というハムもありますよね?
あれはお肉を塩漬け→乾燥→熟成させたもの。加熱の工程自体がありません。
生ハムは「非加熱食品」ならではの危険が…
いわゆる「非加熱食品」になる生ハムには「リステリア菌」「トキソプラズマ(寄生虫)」がいることがあります。
これらは胎盤を通って胎児に感染することがあり、
先天性異常などの原因になることがあるので妊娠中はNGとされているんですね。
しかし、出産してしまえばその心配はありません。
リステリア菌もトキソプラズマも、
母乳中には移行しないことが分かっているので大丈夫!
授乳中でも安心して食べられます。
妊娠中は胎盤とへその緒を通じて、
赤ちゃんとダイレクトにつながっています。
そのため、食べるものの種類や量に注意しなければならないものが多くありましたが、
授乳中はその辺りは少しずつ緩和されていくので嬉しいですね!
私も「出産したらアレとコレとソレを食べよう!」と計画を立てまくっていました。
生ハムを授乳中に食べるなら注意したい!3つのポイント
さて、授乳中に生ハムを食べること自体は問題ありませんが、
気を付けておきたいポイントも一緒にまとめてみました。
リステリア菌・トキソプラズマによる食中毒
リステリア菌もトキソプラズマは感染したとしても、健康な大人では無症状か軽症で済むので大きな心配はいりません。
が、高齢者や免疫力が低下している人は少量の菌・寄生虫数でも感染・重症化することがまれにあります。
産後間もなくで体力が完全に戻っていない時期は、ママの免疫力も落ちていることが考えられます。
万全の状態でないときはやめといた方がいいかもしれませんね。
産前のような調子が戻ってきた後も、注意するに越したことはありません。
生ハムを食べるときには、新鮮なものに限定しましょう。
- 食べきりサイズで、個包装のものを買う!
- 賞味期限はあくまで「未開封」のもの!開封したものは3日程度で食べきるようにする
- 冷蔵庫は万能じゃない!頼りすぎない!
特にリステリア菌は冷蔵庫程度の低温なら全然平気な菌です。「冷蔵庫に入れてあるから大丈夫!」と過信しないようにしましょう。
生ハムは塩分が多いので「むくみ」が気になる人は控えめに
生ハムは塩分が多い食品です。
まぁ、食べれば分かりますよね(笑)。
塩分の摂りすぎは「血圧が高くなりやすい」って
イメージがありますが、実はむくみやすくなる面もあります。
妊娠することで、ママの体の血液量は約1.5倍に。
出産してもすぐに元の量に戻るわけではなく、産後すぐはむくみが残りやすい状態。
とはいえ、生ハムをちょっと食べたくらいでパンパンにむくむことはないです。
食べ過ぎないようにすれば大丈夫!
なんか気になるって人は、
1か月検診が済んだ後くらいから解禁するのがオススメ。
1か月ほど母乳をあげていれば、むくみはあっという間に引いていきます。
私も産後のむくみは1か月程度ですっかり抜けて元通りでした。
野菜と合わせて「カリウム」をしっかり摂る
「むくみ」対策として、生野菜や果物に含まれる「カリウム」を一緒に摂ることがオススメです。
「カリウム」は、体内の余計な塩分を出してくれる働きがあります。
その他ビタミン・ミネラル・食物繊維も多い食品なので、ママと赤ちゃんの栄養のためにも◎。
積極的に摂ってもらいたい栄養素です。
※腎機能に関して持病がある人は、
塩分・カリウムともに上限量がある場合があります。
医師や管理栄養士に確認してください。
授乳中に食べる際、生ハムよりも気を付けたい食品
アルコール
アルコールは母乳に移行します。
飲んですぐ授乳すると、赤ちゃんは母乳と一緒にアルコールも摂取してしまうので注意が必要。
一般に、アルコールは2~3時間程度で体から抜けていくといわれますが、
アルコールの代謝能力は人によって全然違うのでなんともいえません。
お酒が強いと思っている人でも、出産を経て代謝能力が落ちていることも十分考えられます。
私も産前は「ザル」で、いくら飲んでも全然酔わないので職場のおじさんたちに
よく付き合わされましたが、産後はめっきり弱くなりました。
今は家飲みで350mlの缶チューハイで十分満足できちゃうくらいです。
「飲酒後2時間あければ授乳していい」とかいろいろ言われていますが、我慢できるならやはり飲まない方が無難じゃないかな~っと思います。
生ハムなんかあったらワインをいただきたくなりますが、なんの心配もなくなった頃の楽しみにとっておきましょう。
高濃度のカフェイン飲料
がっつり濃いめに入れたコーヒーやエナジードリンクには高い濃度のカフェインが含まれています。
カフェインも母乳中に移行します。
カフェインは赤ちゃんにとって、あまり好ましくない成分です。
過剰に摂取すると、不眠や興奮などの影響が出やすくなります。
大人でも、人によって寝る前にコーヒーを飲むと寝られなくなっちゃいますよね?あれと同じです。
エナジードリンクは避け、コーヒーも通常の濃さで1日1杯程度にしておきましょう。
また、最近はダイエットサプリにもカフェインを含むものが多いようです。カフェインには脂肪燃焼効果がありますからね。
でも、産後太り解消に夢中になって飲まないようにしましょう。母乳をあげていれば勝手に痩せますから。
脂肪が多い食品・食事
体質にもよりますが、脂肪が多い食生活はおっぱいが詰まりやすくなることも。
私もちょっと詰まりやすかったです。
揚げ物を食べたり、ケーキを食べたりしたときは何となく出づらいような…。
私はもともと母乳の量が十分じゃなかったので、
余計に出づらくなる上に体重の減り方も鈍くなったので良いことなし!
私の周りでは、脂肪を避けているママも一定数いました。
油は知らないうちに摂りすぎていることが多い食品。
揚げ物を食べるなら、サラダのドレッシングはノンオイルにするなどの工夫をしてみましょう。
まとめ
繰り返しますが、授乳中の生ハムはOKです。
いくつか気を付ける点はあるものの、
開封したての生ハムを普通に1人前食べる分には全く問題ありませんのでご安心を!
妊娠中に我慢してきた人も、食べ過ぎないように気を付けながら美味しくいただきましょう。
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